環境保全への取り組み
「自然の恵みをくらしに活かす」を基本理念に、再生可能な植物資源「松」から得られる有用物質を、人々の生活に役立つ製品に変えてお届けすることにより、循環型社会の実現に向けて事業展開しています。
地球環境の保全に向けて
環境に関する基本的な考え方
環境汚染の防止、環境負荷の低減に積極的に取り組み、全社で環境経営を推進しています。
ハリマ化成グループ 環境方針(2017年9月4日改定)
私たちは、「自然の恵みをくらしに活かす」を企業理念とし、一人ひとりが環境方針に基づき環境保全活動を積極的かつ継続的に推進します。
- パインケミカル事業が、再生可能な天然資源の有効利用であることを意識し、生産から利用、廃棄に至るライフサイクルを考慮した環境に優しい商品の開発に努めます。
- ハリマ化成グループが行う事業活動、製品、サービスに係わる法規制、協定およびグループ各社が同意したその他の要求事項を順守し、環境汚染や環境事故の予防に努めます
- 環境目標を設定し、環境パフォーマンスの向上及び環境マネジメントシステムの継続的改善に努めます。
(1) 環境負荷の低減(エネルギー、廃棄物、環境汚染/大気水質)
(2) 有害化学物質の適正管理
(3) 緑地の保全管理 - 環境教育・啓蒙活動を通じて環境経営の周知徹底を図り、ハリマ化成グループで働く全ての人が社内外において環境に配慮した行動をします。
- 持続可能な循環型社会にとって生物多様性が重要な基盤であることを認識し、自然生態系に配慮して、社会や自然と調和した事業活動を行います。
- この環境方針は、関係企業、地域住民の方々等の利害関係者および一般の人々にも開示します。
環境マネジメント体制
環境経営を推進するため、全社を統括する「全社環境委員会」と事業所・工場に「各サイト環境委員会」を設置し、環境管理活動を展開しています。
■全社環境委員会
グループの環境方針や目標、計画などの審議・決定を行い、計画推進・目標達成状況を確認しています。
■各サイト環境委員会
「全社環境委員会」での決定事項を具体的に協議し、周辺地域に根差した活動へと展開しています。
■環境マネジメント体制図


環境マネジメントシステム
環境方針を掲げISO14001に基づく環境マネジメントシステムを展開しています。
それぞれの部門部署が年度目標を設定し、環境負荷の低減、環境保全活動を継続的に実施しています。
運営方法
環境マネジメントシステムの運営にあたっては、環境方針、環境目標に基づいた「PDCAサイクル」を繰り返すことで継続的な改善と環境に与える負荷の低減に努めています。

環境目標と実績
各テーマに対して中期環境目標(2030年度環境目標)を定め、その目標達成に向けて、年度ごとに具体的な目標を設定し、取り組みを推進しています。
2021年度実績と中期環境目標(2030年度環境目標)
評価基準 ○ : 達成 × : 未達

集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ
内部環境監査
目標・計画において、達成のための方策が明確になっているか、適切な検証がなされているか、関連法規を含むリスクの洗い出しおよび遵守手順・遵守評価が適切か、前回の内部環境監査および外部審査の指摘事項の有無および是正の確認などに重点を置き、チェックを行っています。
環境教育
従業員一人ひとりの環境意識の向上を図るため、勉強会、講演会などを通じて継続的に環境教育・啓発を実施しています。
2021年度は、6月の環境月間に「企業として、気候変動にどう立ち向かうか」と題して、外部講師による講演会を開催しました。従業員にとっては世界の動向を知るよい機会となり、興味深く話を聞いていました。
工場サイトの環境負荷実績報告会、省エネ勉強会、リサイクル勉強会なども定期的に開催しています。
ISO14001認証取得状況(2022年3月31日現在)
環境保全への取り組みを自主的に進め、継続的に改善していくため、海外連結子会社を含めISO14001の認証取得を推進しています。
■ハリマ化成グループ(国内)
会社名 | 登録年月 | 認証機関 | |
---|---|---|---|
ハリマ化成株式会社 | 加古川製造所 | 2000年 6月 | JCQA |
富士工場・営業 | 2002年 3月 | JCQA | |
東京工場 | 2004年 6月 | JCQA | |
茨城工場 | 2006年 6月 | JCQA | |
仙台工場・営業 | 2014年12月 | JCQA | |
四国工場 | 2014年12月 | JCQA | |
ハリマエムアイディ株式会社 | 2000年 6月 | JCQA | |
株式会社日本フィラーメタルズ | 2005年 7月 | LIACA |
■ハリマ化成グループ(海外)
会社名 | 登録年月 | 認証機関 |
---|---|---|
杭州哈利瑪電材技術有限公司 | 2004年10月 | CQM |
Harimatec Malaysia Sdn. Bhd. | 2005年12月 | BVQi |
Harimatec Inc. | 2007年 2月 | UL |
杭州杭化哈利瑪化工有限公司 | 2007年11月 | CQM |
Harima do Brasil Indústria Química Ltda. | 2008年 9月 | FCAV |
Harimatec Czech, s.r.o. | 2013年 5月 | CERT |
東莞市杭化哈利瑪造紙化学品有限公司 | 2016年11月 | CQM |
山東杭化哈利瑪化工有限公司 | 2019年12月 | LYEC |
LAWTER Mt.マウンガヌイ | 1999年4月 | TELARC |
LAWTER マーストリヒト | 2001年1月 | DNV |
LAWTER 南寧 | 2010年 7月 | CNAS |
LAWTER カロ | 2014年10月 | DNV |
EcoVadis認証取得
米国
Plasmine Technology, Inc.
米国
LAWTER グローバル本社
Plasmine Technology社、LAWTER社は、企業のサステナビリティ活動に関する国際的な評価機関であるEcoVadisによる調査において、「シルバー評価」を取得しました。
EcoVadisの調査は、世界中のサプライチェーンの持続可能性を推進することを目的に、企業のサステナビリティへの取り組みを評価するものです。これまで175カ国、200業種、100,000以上(2022年時点)の企業・団体を調査対象としています。
今回は、「環境」、「倫理」、「労働と人権」および「持続的な資材調達」の4つのテーマに対して高い評価を受け、両社とも世界中の対象企業のうち上位25%の企業に与えられる「シルバーメダル」を獲得しました。今後も、評価が高まるよう、さらなる取り組みを進めていきます。



「SMBC ESG/SDGs評価融資」で最上位評価(AAA)を取得
ハリマ化成グループは、(株)三井住友銀行が取り扱う「ESG/SDGs評価シンジケーション」における「ESG/SDGs評価」で、最上位評価(AAA)を取得しました。
「ESG/SDGs評価シンジケーション」とは、金融を通じたESG/SDGsへの取り組み支援の一環として、(株)三井住友銀行が(株)日本総合研究所と作成した独自の評価基準に基づき、企業のESG側面の取り組みや情報開示、SDGs達成への貢献を評価し、その趣旨に賛同いただいた金融機関によって組成されるシンジケート・ローンとなります。
今回の評価結果では、「気候変動への対応」、「従業員への配慮」、「サステナビリティマネジメント」において非常に高い水準であると判断されました。企業経営においては、大変優れたESGの取り組みと情報開示の実施、また、事業を通じたSDGs達成への高い貢献意欲があることから、最上位評価の「総合評価ランクAAA」となりました。
これからも、ハリマ化成グループは循環型事業への挑戦を続けていきます。

地域自然環境の保護
自然環境保護の一環として、希少植物の保護・育成に取り組んでいます。
絶滅危惧種「フジバカマ」の保護・育成
2019年度から、加古川製造所で絶滅の危機にある植物フジバカマを工場敷地内の花壇に植えて育成しています。
フジバカマはキク科の多年草で、万葉集を始めとし、源氏物語、古今集、新古今集、徒然草などにも登場し、秋の七草としても有名です。かつては本州以西の河川などに普通に見られた植物でしたが、河川工事や田畑の整備、宅地開発や除草剤の使用などの環境の変化で激減し、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種、兵庫県レッドデータブックではAランク(緊急の保全対策、厳重な保全対策の必要な種)に選定されています。

環境フローチャート
資材の調達、生産、廃棄、リサイクルに至るまでの事業活動において、環境に与える影響を正確に把握することに努めています。






環境負荷物質の低減
燃料の使用量
2021年度は2020年度に比べ、バイオマス※1燃料の使用量が減少しました。バイオマス発電設備以外のボイラーは灯油や重油の使用量が増加しました。 燃料の天然ガスへの転換を推進し、徹底した省エネ活動に取り組み、引き続き環境負荷物質の低減を進めていきます。

集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ、セブンリバー、
ハリマ化成商事、日本フィラーメタルズ
集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ、セブンリバー、ハリマ化成商事、日本フィラーメタルズ
NOX、SOXおよびCODの発生量
NOXは、ボイラーに低NOXバーナーを使用し、燃焼中に蒸気を吹き込むなどして低減を図っています。SOXは、脱硫装置の適切な運転管理と良質な燃料の使用によって増加を抑えています。COD、排水量についても管理を徹底しています。今後もNOX、SOX、CODの監視を強化し、環境負荷低減のためにプロセスを改善するなどの対策を講じていきます。
- ※1
- COD(Chemical Oxygen Demand):化学的酸素要求量。水中の汚染物質を化学的に酸化し安定させるのに必要な酸素の量。数値が高いほど水が汚れていることになります。
- ※2
- NOX:ボイラーや焼却炉などの燃焼排ガスに含まれる窒素の酸化物。紫外線によって光化学反応を起こし、光化学オキシダントの原因となります。
- ※3
- SOX:ボイラーや焼却炉などの燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物。酸性雨の一因にもなります。
- ※4
- バイオマス:生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、一般的には「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」をバイオマスと呼んでいます。
地球温暖化防止
地球温暖化防止に関する基本的な考え方
私たちは、くらしや産業の中で毎日たくさんのエネルギーを使っています。しかし、原子力発電を除くと、エネルギーの中心となっている石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況です。今後も安定的にエネルギーを確保していくため、化石燃料に替わるエネルギーの利用が課題となっています。
再生可能エネルギー※5は、自然界で繰り返し起こる現象から取り出すことができ、枯渇することなく、持続的に利用できるエネルギー源です。自然との関わりの深いハリマ化成グループにとっては、最重要課題として再生可能エネルギーの有効活用に取り組み、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。
CO2排出量の状況
粗トール油※6を精製した後の副生品 (以下、バイオマス燃料)を燃料として利用しています。2005年度に加古川製造所でバイオマス発電を稼働させ、バイオマス燃料の有効利用をさらに推し進めたことで、2009年度からはバイオマス燃料が全エネルギー使用量の6割を越えています。
バイオマス燃料は、CO2排出量がゼロと認められていますので化石燃料使用の場合に比べてCO2排出量を大幅に削減したことになります。バイオマス発電設備から発生する蒸気と電力は、加古川製造所で必要なエネルギーのすべてを賄い、余剰電力は再生可能エネルギーとして電力会社に販売しています。その結果、従来購入電力分と売電分に相当するCO2排出量が削減できています。
2021年度CO2排出量は、生産量の増加やバイオマス燃料の使用量が減少したことで前年度より増加しました。CO2排出量削減ロードマップに掲げた目標を達成するため、2021年度はカーボンニュートラル都市ガスへの転換を図り、再生可能エネルギー拡大への取り組みに着手しました。今後もCO2排出量削減の施策を計画的に進めていきます。
■CO2排出量の推移
バイオマス燃料の利用により、CO2排出量を削減しています。

(注)2017年度、2018年度の数値修正(2023年3月)
集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ、セブンリバー、
ハリマ化成商事、日本フィラーメタルズ
(注)2017年度、2018年度の数値修正(2023年3月)
集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ、セブンリバー、ハリマ化成商事、日本フィラーメタルズ
- ※5
- 再生可能エネルギー:石油・石炭などの限りある化石燃料と異なり太陽光や風といった自然現象が循環する中で取り出せるエネルギー。
- ※6
- 粗トール油:製紙業界で使用するパルプを製造する際に副生した黒液を酸分解することで得られる、植物由来の油分(ロジン、脂肪酸が主成分)。
■サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量について
2022年度は、加古川サイト(ハリマ化成株式会社加古川製造所、ハリマエムアイディ株式会社加古川工場)のCO2排出量を算出しました。
Scope1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出)、Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)、Scope3(事業者の活動に関連する他社の排出)の内、
Scope3が90%以上を占め、その中でもカテゴリ1(購入した製品・サービス)が大半を占めることが分かりました。
今後は、算出範囲を他拠点にも広げるとともに、算出方法の見直しにより精度を上げ、サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の削減に向けて効果的な対策に取り組んでいきます。



バイオマス発電システム
環境への取り組みもハリマ化成の使命です
バイオマス発電は「松から抽出された粗トール油を精留した後の排出油を燃料としたバイオマス発電事業」として、経済産業省の2003年度「新エネルギー事業者支援対策事業」に認定され、2005年3月に完成した設備です。
この設備で発生させる蒸気と電力は、加古川サイトで使用するすべての蒸気と電力を賄い、余剰電力は電力会社に供給しています。ハリマ化成グループではバイオマス燃料を使用することで、年間3万トンの二酸化炭素の排出を削減することになります。



主要設備仕様
ボイラー | 燃料 | トール油副生物(バイオマス燃料) |
---|---|---|
発熱量:約36,000kJ/kg | ||
形式 | 自然循環式二胴水管ボイラー | |
蒸発量 | 30,000kg/h | |
蒸気条件 | 5.1MPa/355℃ | |
タービン | 形式 | 8段衝動抽気復水式 |
出力 | 4,000kW | |
蒸気条件 | 5.0MPa/350℃ | |
発電機 | 形式 | 三相交流同期発電機 |
容量 | 4,444kVA | |
電圧 | 6,600V | |
力率 | 90% |
集塵装置 | 形式 | 電気式(乾式) |
---|---|---|
脱硫装置 | 形式 | 湿式(水酸化マグネシウム法) |
脱硝対策 | 形式 | 低NOxバーナー |
■生産部門でのCO2排出量削減に向けて
燃料転換の推進
燃料を燃焼してエネルギーを得る際に排出されるCO2は、同じエネルギー量で比較すると重油・灯油よりも都市ガス、液化天然ガス(LNG)の方が少ないため、よりクリーンな燃料に転換することがCO2排出量削減につながります。ハリマ化成グループは、積極的にCO2排出量の少ない燃料への転換を進めています。

エネルギーの「見える化」導入による省エネ
事業活動を行う上で必要な使用エネルギーの「見える化」システムの導入を進め、拠点にモニタリング機器を設置・展開しており、エネルギーロスの抽出や製造条件の最適化などの生産活動における省エネに取り組んでいます。また、「見える化」することで従業員一人ひとりの環境意識を向上させ、現場改善につなげています。
■物流部門でのCO2排出量削減に向けて
エネルギーの使用の合理化に関する法律(2006年4月施行)に定める特定荷主として、輸送に伴うエネルギー使用量の把握と省エネルギーの計画を立てています。
ハリマ化成の物流はすべて委託していますので、物流会社と協力しながら、輸送時におけるエネルギー使用量の削減に取り組んでいます。また、CO2排出量がトラック輸送より低いとされる鉄道や海運輸送へのモーダルシフト※1も一部実施しています。
2021年度は2020年度と比べ、1工場閉鎖に伴い、他工場(遠方)からの出荷が増加したことで輸送距離が延び、エネルギー原単位が1%増加しました。
項目 | 単位 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
エネルギー原単位※2 | kℓ/万tキロ | 81.1 | 66.4 | 72.3 | 68.5 | 69.3 |
CO2排出量 | t-CO2 | 3,485 | 3,669 | 3,425 | 2,860 | 2,983 |
集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ
太陽光発電設備の稼働
2014年12月、兵庫県高砂市の伊保港に保有する敷地に太陽光発電システム(発電能力1,129kW)を稼働させました。同システムは「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)※3」を活用しており、発電した電力はすべて電力会社に販売しています。
再生可能エネルギーである太陽光による発電を行うことで、政府が推進する自然エネルギーの普及・拡大やCO2排出量の削減に貢献していきます。
■太陽光による発電量

- ※1
- モーダルシフト:自動車や航空機による輸送を、より環境負荷の小さい鉄道や船舶の輸送に切り替えること。
- ※2
- エネルギー原単位:原油換算(KL)/輸送量(万tキロ)。
- ※3
- FIT:「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく制度。

カーボンニュートラル都市ガスの導入
加古川製造所、ハリマエムアイディ(兵庫県加古川市)、伊保基地(兵庫県高砂市)にて、大阪ガス(株)が提供する「カーボンニュートラル都市ガス」の利用を2022年度より開始しています。
「カーボンニュートラル都市ガス」は、天然ガスの採掘から燃料として消費されるまでのそれぞれの工程で発生するCO2を、専用の認証基準で認められたCO2クレジットで相殺した液化天然ガス(LNG)を指します。このCO2クレジットは、企業が行う環境保護活動を定量化したクレジットとして計算し、間接的なカーボンオフセットを実現するものです。
今後も、これらの取り組みを継続しつつ、国内でのGHG削減活動を海外拠点へ展開させ、2050年までにグループ全体でカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいきます。
自家消費型太陽光発電設備の導入
アルゼンチン
LAWTER コンコルディア
事業活動によるCO2排出量を削減する取り組みの一環として、太陽光発電設備を導入しました。発電した電力は自社内で消費され、再生可能エネルギーの促進を図ります。


「初松」を植樹
チェコ
Harimatec Czech, s.r.o.
Harimatec Czech社は初めて、工場敷地内に松の植樹を行いました。スペースが限られていることもあり、選定されたのはPinus Leucodermis(通称「ボスニアマツ」)です。この樹種は、枝が密集したピラミッド型の木で、成長は遅めで最大でも4メートル程度までしか成長しません。頑丈であり、メンテナンスの必要性が少なく、優れた防風林および騒音吸収材として役立ちます。Harimatec Czech社では、これら植樹活動のほかにもさまざまな環境保全の取り組みを行っており、3年間で水の消費量を18%削減、有害廃棄物も17%削減しました。また、ミミズ堆肥を用いた装置で生分解性廃棄物の処理を行い、産業廃棄物の削減を図っています。

ISO50001に基づいたエネルギー低減への取り組み
ベルギー
LAWTER カロ
LAWTER社カロ研究所/工場は、エネルギーマネジメントシステムの国際規格であるISO50001の認証を取得しており、2030年までにCO2排出量を、2017年度比30%削減目標に掲げています。
当エネルギーマネジメントシステムを活用することにより、使用するエネルギーの見える化や管理をさらに強化し、環境にやさしいものづくりを推進していきます。
■LAWTER社カロ研究所/工場
CO2排出量の推移


海外連結子会社CO2排出量の算定に用いるCO2排出係数について
電気:「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」で定められた直近の代替値(国が公表する電気事業者ごとの実排出係数およびそれ以外の者から供給された電気について実測などに基づく適切な排出係数を用いた算定が困難な場合に代替する係数)を使用しています。
燃料:地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」の「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」で定められた係数を使用しています。
廃棄物の削減
循環型社会形成を目指した取り組みのひとつとして、廃棄物の減量、リサイクルの推進、適正管理に努めています。
廃棄物発生量の内訳と推移
■2021年度廃棄物フローと結果
集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ




集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ
ゼロエミッション※5
ゼロエミッション継続中
過去、最終埋立処分率は2%以上で推移していました。ほとんどはバイオマス燃料の焼却灰※6であり、Na、Kを多く含むため、埋立処分となっていましたが、種々検討の結果、2005年度からセメントへの利用が可能となり、リサイクルできるようになったため、2006年度より最終埋立処分率が1%以下となり、ゼロエミッションを達成しました。
2010年度には、廃ガラスのリサイクル処理も可能となり、2011年度は、さらに削減を進めて最終埋立量がゼロとなりました。今後も0%を継続していきます。

集計範囲:ハリマ化成、ハリマエムアイディ
- ※4
- サーマルリサイクル(Thermal Recycle):廃棄物を単に焼却処理せず、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用すること。
- ※5
- ゼロエミッション:「ある産業から出る全ての廃棄物を他の分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指すことで新しい資源循環型社会の形成を目指す考え方」として国連大学で提唱された。ハリマ化成は、「事業所から発生する一般、産業廃棄物の総排出量に対する埋立量の割合を1%以下とする」ことを目指している。
- ※6
- バイオマス燃料の焼却灰:バイオマスボイラーの燃料であるトール油副生物は、工程上、石鹸の酸分解を含むため、硫酸ナトリウムを多く含んでいる(灰分約1%)。
容器再生プログラム
チェコ
Harimatec Czech, s.r.o.
EUの包装廃棄物に関する指令※の採択を受けて、各加盟国は国内における法制度化を進め、独自の容器包装廃棄物の回収・リサイクル機関を構築しています。
Harimatec Czech社は、チェコのリサイクル法に従って、政府公認のリサイクル管理会社であるEKO-KOMのシステムに加入しています。
この法律は、容器を購入し、製品を詰めてチェコ国内で販売、流通させる会社に対して、廃容器のリサイクルにかかる費用の負担を義務付けるもので、廃容器の回収を促進するためにEKO-KOMのシステムに加入し、四半期ごとに排出量に応じた費用を支払うことが必要です。
Harimatec Czech社は、廃容器のリサイクル率を上げる活動に積極的に参加しています。

- ※
- 包装廃棄物に関する指令:1994年のEU指令「容器包装と容器包装廃棄物に関する指令94/62/EC」によって容器包装廃棄物の回収とリサイクルが規定された。指令の目的は、各加盟国で独自に行われている容器包装廃棄物の管理政策を調和させるとともに、達成すべきリサイクル率を目標として設定することで、環境保全レベルを引き上げること。
エコキャップ運動
ブラジル
Harima do Brasil Indústria Química Ltda.
ハリマ・ド・ブラジル社では、ペットボトルキャップの回収運動を行っています。「私たちの小さな行動で何かが変わる」。そんな気持ちでこれからもこの運動に取り組んでいきたいと思っています。
<回収運動の効果>
①リサイクルして有効活用
回収されたペットボトルキャップはプラスチック製品の生産資源として有効活用されます。
②CO2排出量の削減
ペットボトルキャップをリサイクルし、焼却処分をできる限りゼロに。
③社会貢献
回収されたペットボトルキャップは、医療や障がい者支援にあてられます。