One Hour Interview
電子、分子、外部刺激の協奏で新たな物質の創成へ
張 浩徹
集中するとオーラを発散
化学に転じてから、数学の知識は役に立ちましたか。
普通は、数学が嫌いな学生が化学に来るんですけどね(笑)。数式を見て怖がる人間と怖がらない人間がいると思いますが、どちらかというと僕は後者です。化学をやる上でも数式は使いますから、そこはメリットとして作用していると思います。それに今は研究も分業の時代です。
僕は物理の先生などとも共同研究していますが、専門分野のことはそれぞれのプロに任せればいいのではないですか。垣根を越えてそれぞれのプロと手を組めば、その分仕事も早く進みます。化学屋は分野外のことを理解するセンスを持ちながら、ものづくりの面で貢献すればいい。考えをリフレッシュする意味でも、他の分野の専門家と手を組むことは重要ですね。
それ以降はひたすら化学に打ち込んできたのですか。
ええ。たまには飲みに行ったりもしましたが(笑)。大学のときは朝から晩まで集中して勉強しましたし、成績も悪くなかったですよ。でも成績と研究はあまり関係ないですよ。
研究は知識×個性だと思うので、知識の塊が小さければアウトプットも小さくなるでしょうけれど、直結しているとは思いません。
割と集中するタイプですか。
そうだと思います。集中しているときはオーラが出ているみたいですよ。誰も寄ってこなくなりますから(笑)。