ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

新たな手法を開発して既存分子の限界を破る

岡野健太郎

新たな方法へのこだわり

先生の研究室は「有機化学研究室」という名称ですが、どのような研究をされているのですか。

 ひとことで言うと、分子をつくる研究です。医薬や農薬、機能性材料の開発は、分子をつくる技術に支えられています。必要な分子を効率よく、選択的に合成する方法は、産業競争力の源泉とも言えるものです。

新しい手法を開発するところに、先生のこだわりがありそうですね。

 私が学生だったとき、「目的の化合物をつくれたらそれでよいのではなく、周りから参考にされるような手法でつくらないと意味がない」と、当時の指導されていた先生がおっしゃったんです。私は学生の頃から複雑だったり取り扱いが難しかったりする化合物をつくることに興味を持っていましたが、それ以来、何か1つでも新しい方法を組み込むことにこだわってきました。そのこだわりは今もあります。新しい方法や技術を取り入れ、他の人に気づきを与えられる仕事をするべきというポリシーは変わっていません。

そういうことは学生に対しても言っているのですか。

 はい、もちろんです。もう1つには、十分な量の化合物を安定して供給できる、信頼性の高い手法を確立し、最終的に社会実装につなげたいと考えています。実用化を見据えて化合物の性質を詳しく調べるには、目的とする化合物が最低1グラムは必要です。学生には、新たな手法を組み込みつつ、1グラム以上の化合物の合成を目指してもらっています。神戸大学に移ってきてからは、以前ほどつくるのが難しい化合物ではなく、ずっと簡単なものをつくるようにしていますが、それでも1グラムの目的化合物を手にするのは容易ではありません。しかし、試行錯誤を繰り返すうちに、どうすれば目的を達成できるかを学生自身が真剣に考えるようになります。これが学生にとってよいトレーニングになっているようで、化学合成のスペシャリストが育っていく手応えを感じています。

ガラス越しに実験室が見える、明るく開放的な学生居室

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