One Hour Interview
新たな手法を開発して既存分子の限界を破る
岡野健太郎
ものづくりの道を拓く
ハロゲンダンス以外には、どのような研究に取り組んでおられるのでしょうか。
1つは、短寿命反応中間体のコントロールです。短寿命反応中間体というのは、化学反応の過程でほんの一瞬だけ現れてすぐ消えてしまう、不安定な状態の化学種です。この高い反応性を精密に制御できれば新しいものづくりの道が拓けると私たちは考えています。この研究を始めたのは神戸大学に異動してからですので、もう10年くらいになります。この短寿命反応中間体のコントロールにも、ハロゲンダンスに取り組む中で得られた知見を応用しています。
天然物や機能性材料の合成もされているようですね。
はい、天然に存在する生物活性物質(天然物)を人工的につくる天然物合成に継続して取り組んでいます。その中でも、特異な構造を持つ複雑な天然物に注力しています。また、既存の合成法や反応の限界を破る新しい手法を開発し、医薬や農薬、機能性材料などの基本骨格となる化合物を開発したいと思っています。