ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

低環境負荷合成法によるナノ材料開発に挑む

横山 俊

英語で考え英語で書く

最近は留学に行きたがらない若い人が多いと言われます。実際、日本人留学生の数は相当減っているようです。先生は留学に行きたいと考えていたのですか。

 そうですね。ナノ材料の研究ではアメリカが最先端というイメージがありましたから、そういうところに飛び込んで自分がどれくらいのことをできるか試してみたいという気持ちはありました。最先端の研究に触れたいという漠然とした思いもありましたね。

 実際、留学に行ってみてよかったと思っています。研究に対する姿勢とか取り組み方の、日米の違いなども実感できましたし、いろいろな文化に触れることができ、自分でも成長できたという実感はあります。

研究で行き詰まったときはどう対処されますか。

 ひたすら研究を続けます。気分転換に他のことをするという人もいますが、僕は違います。実験のパラメーターを変えてみたり、見逃していたことはないかと考えたりして、忍耐強く続けます。こういう研究には、忍耐強さが必要です。助教という立場なので、今でも自分で手を動かして実験をしています。パッとひらめいたとき、すぐ実験できるのは大学のいいところです。

どんなときにひらめくのですか。

 やはり、考えて考えて、考え抜いているときですね。諦めるのは簡単なこと。考え抜くことが大事なのではないでしょうか。

留学される前は英語が苦手だったとお話しされましたが、論文は英語で書かれるのですか。

 そうですね、今は最初から英語で書きます。学生のときはまず日本語で書いて、それを英語に翻訳していました。今は日本語で書き直すことはしていません。論文を書くときは英語で考え、英語で書きます。もちろん、普段実験しているときは、日本語ですよ(笑)。

東北大学大学院 環境科学研究科 助教 横山俊[よこやま・しゅん]1983年、宮城県生まれ。 2013年、東北大学大学院環境科学研究科修了。同年より現職。休日は夫人とサイクリングをするのが楽しみ。朝は8時前に出勤。「朝のほうが集中でき、考えもはかどる」と言う。

「第34回松籟科学技術振興財団研究助成 受賞」

1.6 MB

1 2 3 4 5