ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

フレキシブル高感度センサーで豊かな社会づくりに貢献したい

異分野の研究者らと連携し、曲げたり丸めたりできる高感度のセンサーを開発。
医療や福祉、農業などさまざまな分野での実用化を目指す関谷毅さん。
社会を豊かにしたいというまっすぐな思いが、
多くの研究者や企業の共感を呼んでいる。

関谷 毅

大阪大学
産業科学研究所 先進電子デバイス研究分野 教授

多彩な分野の研究者を糾合

2014年4月に関谷研究室が発足しましたが、このときはまだ37歳。異例ともいえる若さで教授に就任されましたね。

 従来はできなかった計測をできるようにして、豊かな社会をつくりたいというのが、研究に対する私の最大のモチベーションです。そのためにフレキシブルな電子デバイス、特にセンサーの研究をしていたのですが、私としては単にセンサーを開発するだけでなく、それを社会実装できるところまでとことんやりたいわけです。でもそうなるといろいろな異分野の研究者と連携する必要があります。もちろん東京大学にいたときもそうした連携はしていましたが、大阪大学は医工連携がとても盛んな大学です。私が東大で開発したセンサーを使いたいと手を挙げてくださった先生も、阪大にはたくさんいらっしゃいました。その後もさまざまなご縁があり、阪大で異分野融合の研究室をつくれることになりました。

異分野融合の研究室とは、どういうことですか。

 私自身は電子デバイスや電子材料が専門ですが、同じ研究室の須藤孝一准教授は応用物理の出身で界面や物性評価が専門ですし、植村隆文特任准教授は応用自然科学出身で、電子デバイスなどの評価のスペシャリストです。また荒木徹平助教は材料をつくったり集積化したりするのが専門で、スタンフォード大学の博士研究員だった吉本秀輔助教は回路設計、システムシミュレーション、情報処理の専門家です。これだけいろいろな分野の研究者がそろっている研究室は、なかなかないと思います。おかげで私の研究室では、材料やプロセスの開発にとどまらず、システムや情報処理までできるようになりました。もちろん他大学や企業などとの連携も盛んに行っています。

左から、荒木助教、関谷教授、大学院生の近藤雅哉さん、植村特任准教授。

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