ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

有機合成の手法を駆使してアルツハイマー病やHIVの治療薬開発を目指す

今野博行

留学がきっかけで進路が変わる

それがなぜ薬学系に?

 ペンシルバニア大学に1年半、留学したことがあります。有機合成化学で有名な先生がいたので、そこで勉強したかったのです。

 ところが僕より1週間先に留学していた日本の学生がそのテーマをすでに選んでいて、僕が行ったときは別の先生について実験をすることになってしまいました。英語がよく分からなかったので、適当に「イエス」と言ったらそういうことになってしまったんです(笑)。

 それがこういう分野だったわけで、最初は嫌で嫌で仕方がありませんでした。でも今は面白くてしょうがない。あのとき先にテーマを選んだ人に感謝したいくらいです(笑)。もちろんその根底には、アルツハイマー病やHIVを何とか治したいという気持ちがあります。でも今も実際にやっていることの7割は有機合成ですよ。

山形大学のいいところは?

 講座制の仕組みをとっていないところですね。医学部以外は基本的に全員、個人プレイです。個々で研究するのがルール。教授も若い助教もみんな独立して研究をしています。何を研究するかも含めて自由です。その代わり全部自分の責任ですから大変ですが、自由にできるのはやはりいいですね。

こういう分野の研究者に必要な資質は何でしょう?

 やはり忍耐力ではないでしょうか。研究室に新しい学生が入ってきたら、実験のときの集中力や姿勢で伸びるかどうかすぐ分かります。他の学生とは全然違う学生がときどきいますが、そういう子は伸びますね。

山形大学大学院 理工学研究科バイオ化学工学専攻 准教授 今野博行[こんの・ひろゆき]1970年、宮城県出身。東北大学農学部農芸化学科卒。東北大学大学院薬学研究科製薬化学専攻博士課程修了。薬学博士。ペンシルバニア大学博士研究員、徳島大学助手、京都大学助手、京都府立医科大学助教を経て、2009年度から現職。「実験をしているときが一番楽しい。手を動かしていないと気持ちが悪い。週日、実験をしなかったときは土日に料理をして手を動かす」という。

「第32回松籟科学技術振興財団研究助成 受賞」

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