ハリマ化成グループ

次代への羅針盤

次代への羅針盤

リスクを恐れず、もっともっとアクティブに

赤井周司

興味を持った2つのテーマ

 私は大阪大学の薬学部に入り、大阪大学で大学院の博士課程に進み、博士の学位を得ました。そして日本学術振興会特別研究員として研究を続けた後、自分が学生のときに所属していた研究室の助手に採用されました。

 大学に職を得た私は、これからどのような研究を行おうかと、いろいろ思いを巡らせていました。その1つとして、遷移金属触媒を使った反応開発に興味がありました。ノーベル賞を受賞された野依良治先生や鈴木章先生も、遷移金属触媒を使ってさまざまな反応を開発する研究をされていました。日本は遷移金属触媒の研究では世界トップクラスの実績を上げており、新しい研究成果が次々に生まれていました。

 一方、リパーゼにも関心を持っていました。リパーゼは種々の生物の体内にあり、脂質を加水分解する消化酵素です。有機化学的にうまく使うと右手型と左手型がある分子、すなわち鏡像異性体を分離できることが報告されていました。

 この酵素を有機合成にもっと活用できないかと漠然と考えていたのですが、扱った経験がなかったため、ずっと手つかずの状態でした。そんなとき、ある日、研究室の教授に呼ばれ、研究室のOBがリパーゼを使う研究で博士論文をまとめるので、興味があれば手伝ってほしいといわれたのです。

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