こだわりを持ち、夢を追求する

　これは学生に限りませんが、今の若い人は優秀で真面目です。ただ、小さくまとまっている感じがします。若いのですからもっと荒々しかったり、野心的なところがあったりしてもいいのではないでしょうか。

　若さゆえの荒々しさや情熱を持ち、自分の考えを明確に言える。しかし一方で人の話にもしっかりと耳を傾ける。そういう力や感性を養うためには、多様な価値観と出会える異文化に身を置くことも必要です。

　研究室にいる学生を見ても、サークル活動の経験のある学生は、人との関係性を踏まえて、バランス感覚を持って対応しようとする傾向があります。若いうちに、いろいろな世界や価値観に接し、経験し、多面的な視点で物事を捉え、整理し、柔軟な発想ができるようにしておくこと、また、感受性を高め、それを自身の思考に取り込み、こだわりを持って夢を追求することが大切だと思っています。

　吉田松陰は「夢なき者に成功なし」という言葉を遺しています。これは私の好きな言葉の一つですが、その実践のために、若い人には、高き志と理想を掲げ、夢の実現に向け、知恵と勇気を持って果敢に、そして粘り強く挑戦してほしいと思います。