次代への羅針盤
若さゆえの荒々しさがほしい
木野邦器
製造現場での貴重な経験
協和醱酵工業在籍時には3年間、町田にある東京研究所で工業用微生物の遺伝子組換え技術の応用研究にも従事しました。その後、工場の生産現場に入り、いきなり60~70人の部下を持つ立場にもなりました。部下といっても私より年長の社員もたくさんいました。おそらく中には「この若造が」と思っている人もいたでしょう。最初のうちはどうしたらいいのかわからず戸惑うばかりで、自分が管轄するエリアの生産ラインと多様な配管とその運転管理、扱う品目の製造法を必死に頭に叩き込みました。ある程度生産の仕組みと現場の流れがわかってくると、作業指示や自分の考えをどのように部下に伝えたらよいのかに集中しました。
その後の私の人生で重要なスキルとなったコミュニケーション力や現場力は、この生産現場で培われたと考えています。