ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

生体分子と人工分子でつくる 超分子ナノ構造体

池田 将

超分子ナノ構造体でつくる3次元マトリックス

役に立つとしたら、医療に使えるとか、医療用の材料になる可能性があるということですね。

 そうです。細胞を培養しようとすると、マトリックスの中に閉じ込めておきたいという願望があります。例えば再生医療のことを考えてみてください。シャーレの上で細胞を培養しているだけだと、簡単には立体的にはなりません。でも医療者は立体的にしたいと思うはずです。そうすると3次元のマトリックスの中に細胞を入れて培養したくなるでしょう。私たちが超分子ナノ構造体でつくった材料で、そういう3次元のマトリックスができるのではないかと考えています。 自己集合性で集めた超分子ナノ構造体の分子を繊維状にすることで、ゼリーのようにすることができます。そのゼリーの中に細胞を混ぜ込んでいくと、ゼリーの中に細胞が分散し、3次元的に存在する状態をつくり出せると考えています。

まだ実際にはつくれていないのですか。

 私の研究室でもいくつかつくることができています。今は、よりいいものにしたいというモチベーションでいろいろ試行錯誤しているところです。例えば細胞を入れたマトリックスを不要になったら溶かしてしまい、細胞だけにして取り出すとか、そういうことができるように分子に工夫をしています。

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