ハリマ化成グループ

One Hour Interview

One Hour Interview

光応答性分子で表面レリーフを形成

生方 俊

新たな発想が必要

その研究でご苦労されているのはどういうところですか。

 脱二量化の反応がなかなかうまくいきません。光二量化の反応には長波長の光を使いますが、脱二量化のほうには短波長の光を使います。しかし、この短波長の光は二量化の反応も起こし得るエネルギーなので、光二量化と脱二量化の平衡状態になります。現状では完全にスイッチできる状態にはなっていません。

暗室での有機合成の様子。化合物の精製

それは方法に問題があるのですか、あるいは材料の問題ですか。

 材料だと思っています。既存の化合物だと限界があり、ここはまったく新たな化合物と、それを生み出す新たな発想が必要だと考えています。

 同時に、ほかの手段も可能性はゼロではないので検討しています。そこは企業秘密ということでお話しできませんが……(笑)。

現在は、具体的にどういうことをされているのでしょうか。

 大きな目標としては、高分子量化、低分子量化がスイッチできる分子をつくることを念頭に置いています。学生にはスモールステップの考え方で、比較的クリアできそうなところから実験をしてもらっています。その中でヒントになりそうな結果が出てきたら、すぐ試してみるという感じです。

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