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伝説のテクノロジー

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銅版画

美術家・舟田潤子さん

オリジナルの技法も開発

 舟田さんはエッチングはもちろん、アクアチントやドライポイントの技法を用いることもある。自分が描きたい線の味わいによって技法を使い分けているのだ。

刷り色ごとに分かれている銅板。

 ただ、エッチングなどで使う腐蝕液には劇毒物が含まれていることが多い。人体に悪影響を及ぼすのだ。防蝕剤を取り除く際に、かつてはガソリンや灯油を使っていた。長く続けるために高価ではあるが見直せる範囲はないかと考え、無害の油に変えたという。そのためエッチングの作業ができる場所は限られてくる。また、作業中は細心の注意と装備が必要になる。銅板を腐蝕液に浸けているときは何時間も根気よく腐蝕具合を観察しておかなければならず、根気と集中力が必要だ。さらに大きなものになるとかなりの重量になる銅板を持ち上げ、プレス機にかける作業は肉体的な負荷も大きい。それでも舟田さんがやめないのは、見た人を楽しくさせたいという思いが強いからだ。

 舟田さんの銅版画には、サーカスをモチーフにした作品が多い。「サーカスをモチーフにしているのは、シルク・ドゥ・ソレイユの公演を見て感動したことがきっかけです。見た人を楽しませたいという私の思いが、サーカスにも共通していると感じました」

 サーカスをモチーフに、エッチングやアクアチントといった伝統的な技法を駆使して創作活動をしていくうちに、舟田さんの銅版画はますます自由度を増していった。プレス機にかけて絵を刷った後に和紙を貼りこむようにしたのは、絵の表面に膨らみをもたせたかったからだった。刷った後に絵に色を着けることもあるし、貼った和紙に着色することもある。

刷るときのプレス機にかける力の加減や、色を細かく指定した指定紙。

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