ハリマ化成グループ

伝説のテクノロジー

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消えかけた国産線香花火の灯を守る

花火製造職人 筒井良太さん

東京のセレクトショップでも販売

 筒井時正玩具花火製造所では、線香花火に使う紙の裁断や染も含めてこうした作業をすべて社内で行っている。火薬を紙で包んだ線香花火(長手牡丹)の他に、わらの先端に火薬をつけたスボ手牡丹もつくっている。長手牡丹は関東風、スボ手牡丹は関西風ともいわれる。

 スボ手牡丹の場合、火薬に膠(にかわ)や松やにも配合するので、気温や湿度の低い冬につくる。現在、国内でスボ手牡丹を製造しているのは、筒井時正玩具花火製造所だけである。

 これらの線香花火は、輸入物に比べると火花の飛び方が美しいだけでなく、長持ちするという特徴もある。実際、あるテレビ局が計測したところ、安価な線香花火に比べると筒井時正玩具花火製造所の線香花火は1.5倍くらい長持ちした。

 また、筒井さんはつくるだけでなく、新たな販売チャネルも開拓した。従来はすべて問屋経由で販売していたが、それでは問屋がつくる花火セットの1アイテムとして入れられるので、どこのだれがつくったものか、消費者には全く分からない。そこで筒井さんがギフトショーに出展したところ、意外なところから引き合いがきた。有名なセレクトショップが「店に置きたい」と言ってきたのだ。今ではアパレルショップや雑貨店などにも、問屋を通さず直接卸している。

線香花火の一生│燃え方の名称│

蕾(つぼみ) 花火に火をつけると、酸素を吸い込みながら火の玉はどんどん大きくなっていく。花が咲くまで、“蕾”は大きくふくらむ。

牡丹(ぼたん) そのうちにパチッ、パチッとひとつずつ火花が散り出す。まるで一歩一歩確かめるような様子は“牡丹”と呼ばれ、その間隔は徐々に短くなっていく。

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