次代への羅針盤
新たなパラダイムを構築し、真理を実証して時代に問う
難波成任
研究におけるライフワーク
ファイトプラズマの研究を本格的に始めるとき、私は6つの戦略的な目標を設定しました。
⒈分子レベルでの分類
⒉全ゲノム解読
⒊病原性のしくみ解明
⒋特定の昆虫で運ばれるしくみ解明
⒌外から遺伝子を導入する技術の確立
⒍培養
結局、私は4までの目標を達成しました。でも、5と6は後輩に委ねようと考えています。私には今、もっと大きな、社会に変革を起こすような目標が頭に浮かんでいるからです。おそらくそれがこれからのライフワークになるでしょう。
研究に限らず、ライフワークとは、そこに価値を見出し、人生観を投影でき、独自の世界観を築くことができ、達成感が得られる仕事のことです。目先のことではなく、10年、20年先を夢見て考え、ようやくできるかできないかといった仕事です。私はもう70歳近い年齢ですが、まだ10年先、20年先を夢見ている状況です。