伝説のテクノロジー
スポーツ練習場
新豊洲Brilliaランニングスタジアム
移設前提で建てられた
2020年は、新型コロナウイルス感染拡大のため、4~5月の2カ月間、スタジアムは営業を停止した。だが、営業再開後は、徐々に利用者が増えている。現在は感染対策をしたうえ利用時間や利用人数などを限定しているが、利用者数はコロナ以前の水準に近いという。
「感染拡大でこれまで使ってきた練習場が使えなくなった選手や、部活が停止になって練習できなくなった中学生などが来ることもあります。陸上競技以外のアスリートの方も来ます」(名波さん)
このスタジアム、躯体の低部にはぐるりと開口部が設けられている。そのほとんどはルーバーがあるだけで、外気が直接入り込んでくる。天井部には換気設備も設けられ、屋内だが、密閉空間ではまったくない。
もちろん施設の利用は有料である。しかし、名波さんはXiborgや土地を提供している企業なども含めて「ここで利益を上げている企業はおそらく1社もないかもしれません」と言う。収益を見込んだ事業ではなく、社会貢献的要素の色濃い取り組みだ。
実はこのスタジアム、恒久的な施設ではない。もともとは2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終わった後には解体する予定だった。オリンピック・パラリンピックが1年延期になった現在は、2021年9月までの運営となる見込みだ。状況次第ではさらなる延長の可能性もあるが、土地を保有する企業の都合もあり近い将来には解体される運命にある。