伝説のテクノロジー
スポーツ練習場
新豊洲Brilliaランニングスタジアム
構造物自体がアート
使われているカラマツのフレームは全部で424本。いずれも工場で特殊な治具を取り付けたプレス機によりダイヤモンド型に加工したユニットである。このフレームがアーチ状に幾何学的に並ぶさまは、美しくも壮観であり、この構造物自体がアートであることを実感させられる。
実際、このランニングスタジアムは、日本建築学会賞、BCS賞、グッドデザイン賞、日本構造デザイン賞など数々の賞を受けている。
かまぼこのような形状をしたこのスタジアムは2016年12月、パラリンピックへの出場を目指すパラアスリートのトレーニング施設としてオープンした。ただ、館長を務める元陸上競技選手の為末大氏が「誰もがスポーツやアートを楽しめる新しいタイプの施設にしたい」と提案したことで、障がい者に限らず健常者も利用できるようになっている。
内部には長さ60メートル、6レーンの全天候型トラックが整備されている。これはリオデジャネイロ・オリンピックのときに使われたのと同じトラックだ。本番のオリンピック・パラリンピックと同等のトラックで練習できるというわけである。
施設内には、義足開発ベンチャーの株式会社Xiborg(サイボーグ)が義足開発のためのデータ解析や工作などを行うラボも設けられている。義足を使うパラアスリートはここで義足の調整などをすることもできる。ラボの一角には「ギソクの図書館」も開設されていて、レンタル可能な競技用義足が常時置かれている。
さらに車いすのまま使えるミストサウナ付きシャワールームやユニバーサルデザインのトイレも完備されている。