ハリマ化成グループ

伝説のテクノロジー

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心揺さぶる硝子の造形

GLASS-LAB 代表取締役・椎名隆行さん

ほとんど産業遺産の研磨機

 椎名硝子の工場には1950年の創業当時から使っている4台の研磨機がある。手作りの木製機械で、この工場以外ではめったにお目にかかれないほとんど産業遺産的な機械だ。しかも4台の研磨機をベルトでつないで1台のモーターで動かす光景は圧巻の迫力がある。そのため土・日曜日には何組もの見学者が訪れる人気ぶりだ。

 GLASS-LABでは、カスタマイズグラスの注文生産に応じているほか、液だれしない醤油さしも販売している。この種の商品は他の店でも販売しているが、隆行さんはそこにGLASS-LABらしいひと工夫をしている。

ロゴの彫られた醤油さしの栓。

 「醤油さしの栓の裏側にサンドブラストで好きな文字や絵を入れることができるようにしています。実はある外資系企業から、栓の裏にその会社のロゴマークを彫って1,300個つくってほしいという注文をいただいたことがあります。今、海外では日本の寿司が大人気で、醤油さしも日本のトラディショナルな小物として人気があるようです。栓の裏側ですから、ロゴは普段は見えないのですが、それがかえって押しつけがましくなくていいと好評なんですよ」「砂切子」の好調な売れ行きに手応えを感じた隆行さんはオリジナルのカラーバリエーションを増やしている。新しい絵柄の製品も準備中だ。

 江戸時代から続く江戸切子の世界に、新しい風が吹き始めている。

サンドブラストを担当する椎名康之さん、平切子職人の椎名康夫さん。そして、GLASS-LAB代表取締役であり企画・営業・広報までこなす、椎名隆行さん。

しいな・たかゆき 1978年、東京都生まれ。2014年、GLASS-LABを創業。2018年に法人化した。「ガラスを通じて人の心を揺さぶる」ことを社是としている。地元・清澄白河の町をこよなく愛し、3年に一度の富岡八幡宮例大祭のときには必ず神輿を担ぐ。地元の活性化のためにさまざまなイベントの企画や情報発信もしている。地元の仲間と共同でシェアオフィスの事業も手がけている。趣味のムエタイ歴はすでに7年になる。

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