次代への羅針盤
失敗の観察から本質を見抜く力が養われる
小舟正文
多くの引き出しこそ成功へ道を拓く
大学を離れた今は、企業の技術コンサルタントをしています。企業の方に技術的なアドバイスをするためには、私自身も勉強を怠ることはできません。今もなお、学びの日々です。
コンサルの仕事では、若い技術者と触れ合う機会も多くあります。若い技術者には、日頃から自分の手を動かしてものをつくりなさいと言っています。そして自分がつくったものは、自分で解析しなさいとも言っています。
もちろん失敗することもあるでしょう。今の若い方と接していると、ときに失敗を恐れているように感じることがありますが、失敗こそ最大の学びと言ってもいいでしょう。なぜその結果になったのかを知るために根気よく観察すれば、本質が見えてきます。そしてそれを続けていけば、「本質を見抜く力」が養われていきます。
何かの本質を1つ見抜けば、それが自分の知識、知見の新しい引き出しになります。ノーベル賞を受賞された先生方は、それぞれの専門領域を徹底的に掘り下げてきた方たちですが、その一方でとても多くの引き出しをお持ちのはずです。いろいろな引き出しを持ち、それを組み合わせて地道な努力を積み重ねてきたからこそ、ノーベル賞という栄誉にたどり着かれたのでしょう。