ハリマ化成グループ

研究開発

研究開発品

新規機能性材料

新規機能性材料では、当社が長年培ってきたコア技術を融合することにより、新機能や新製品、さらに新事業の創出を目指した研究開発を推進しています。基盤事業の領域にとらわれない研究開発、また各事業部門に関わる研究開発部門の中核機能を果たすことも重要な役割となっています。刻々と変化する市場とニーズを的確に捉え、樹脂合成技術、金属接合技術、乳化・分散技術、パインケミカル技術を中心に研究開発を行っています。

インキ脱離用プライマー

環境負荷低減を目的としてプラスチックの効率的なリサイクル方法が模索されていますが、多くの課題が存在します。 たとえば、文字や絵柄が印刷された包装用のプラスチックフィルムは、基材のフィルムの上に印刷層がコーティングされており、多層構造を有しています。そのまま再利用すると印刷インキの色が残ってしまい、リサイクル後の用途が限られてしまいます。 当社はアルカリ水溶液で処理すると速やかに溶解する「プライマー」を開発しました。印刷層の下にあらかじめ塗布しておけば、リサイクル過程で容易に印刷層を分離させることができます。 粘着層、離型層などにもこの技術を展開させ、様々な部材に対するリサイクル手法の開発に取り組んでいます。

印刷層の脱離とリサイクルフロー
印刷層の脱離とリサイクルフロー
制振ゴム用添加剤

建物の地震対策の一つとして、「制振」技術があります。地震による建物の揺れを制振ダンパーが吸収することで、振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、揺れが抑えられる技術です。 当社では、高減衰ゴムの性質を利用する粘弾性ダンパーに適した、ゴム用添加剤を開発しました。ゴムや、ゴムに添加される充填物「フィラー」と相互作用することで、効率的に熱エネルギーに変換する特殊な変性ロジンが使われています。

制振ダンパーの構造
制振ダンパーの構造
二次電池用部材

二次電池は、小型民生機器、小型電源、電動工具、電動車(EV:電気自動車,HV:ハイブリッド車,FCV:燃料電池車)、エネルギー貯蔵システム(ESS)などで、幅広く使用されています。中でも、リチウムイオンバッテリー(LiB)は、従来の鉛蓄電池やニッケル水素電池に対してエネルギー密度や出力密度が高く、需要が伸びています。 このLiBに使用される材料として、正・負極活物質や導電助剤などを固着するバインダ樹脂を開発しています。正・負極活物質との適合性や集電体との密着性が高い水性樹脂の開発により、充放電サイクル増加などの性能向上と共に、環境に優しい製品を目指しています。

コインセルのサイクル特性比較(放電容量の推移と負極材料の密着性)
コインセルのサイクル特性比較(放電容量の推移と負極材料の密着性)
電子部品外部電極用銅ペースト

積層セラミックコンデンサやインダクタ等の電子部品は、スマートフォンや電動車など幅広い分野のエレクトロニクス製品に多数使用されており、今後も機器の小型化や高機能化に伴い、需要の増加が予想されます。 当社では、これら電子部品の外部電極(引き出し電極)を形成する材料として、独自の樹脂設計と微粒子分散技術を基にした銅ペーストを開発しています。 従来から広く使用されている銀ペーストと同様に、大気雰囲気下での使用が可能であり、電気的特性、めっき形成性、信頼性も銀ペーストと同等以上の性能を有し、且つマイグレーション特性に優れた材料となっています。そのため、銀ペーストの代替材料として、電子部品のコストダウンへの貢献が期待できます。