フォトレジスト用樹脂
収まる縁の下の力持ちハリマのフォトレジスト用樹脂
私たちがいつも持ち歩くスマートフォン。いまや生活にはなくてはならない存在となっています。1980年代に日本で初めて発売された携帯電話は、ショルダーバッグのように肩から掛けなければならないほどの大きさで、3kgもの重さがありました。そのような時代から、今では手のひらサイズとなり、高性能なカメラやタッチパネルが搭載されるなど、機能もはるかに進化し続けています。
この進化を支えているものの1つが、半導体パッケージの微小化と高密度化です。半導体パッケージは、集積回路(IC)チップへの電源供給や、電気信号の伝達、外部環境からの保護などさまざまな役割があり、外部接続用の電極や配線部分を形成する過程で、フォトレジストと呼ばれる材料が使用されます。これは光によって溶解性などの物性が変化するため、光を微小領域へ照射した後、溶解性の高い部分を現像液で洗い流すことで、微小・高密度に電極や配線パターンを形成する型取りの役を果たしているのです。そこで活躍しているのが、ハリマ化成のフォトレジスト用樹脂。光照射により酸が発生する物質と組み合わせることで、樹脂の化学構造が変化し、溶解性を制御できる特徴があります。
スマートフォンは想像以上に大量の情報を処理します。搭載されている半導体パッケージのわずかな配線の乱れですら欠陥の原因となりますが、構成モノマーの選定や、分子量制御など、当社のきめ細やかな樹脂設計技術を活かして、溶解性などの物性を最適化しています。また、フォトレジストの使用工程では、微量の金属不純物が不良発生率に大きな影響を及ぼすため、品質管理にも力を入れて取り組んでいます。
エレクトロニクス業界は急速な進化を続けており、今後も5Gの普及にともないIoTデバイスも飛躍的に増加していくことが予想されています。そんな夢いっぱいのエレクトロニクス業界の発展に貢献する製品を、今後も世に送り出していきます。