有機溶剤を含まない
無溶剤型アルミニウムろう付材
私たちの生活に欠かせない電気製品であるエアコン。例えば家庭用エアコンの室内機と室外機にある熱交換器との間で、温度が上がると気化しやすい「冷媒」と呼ばれる物質がグルグルと巡回するおかげで、夏は涼しく、冬は暖かく暮らすことができます。
この熱交換器、近年では家庭用、自動車用にかかわらずアルミニウム製が主流です。その多くは、アルミニウムの表面の酸化被膜を分解する機能を持つフラックスを用いる、フラックスろう付法で製造されています。しかし、このフラックスは粉体で接着性を持たないので、何らかの手段でアルミニウムの表面に付着させておく必要があります。
そこで、ハリマのアルミニウムろう付材(フラックス塗料)。これには樹脂成分が含まれており、フラックスを接着させる役割を担っています。フラックスをムラなく塗ることが可能で外部からの振動にも強く、樹脂成分はろう付前の温度で熱分解して消失するので、肝心のろう付に悪影響を及ぼしません。
また、近年では地球環境保全の対策として揮発性有機化合物(VOC)の規制を耳にする機会が増えてきました。このような環境保護のニーズに対応するためには、有機溶剤は含まない構成が適切です。しかし、完全水系で使用できる樹脂成分の熱分解性は、従来の樹脂成分の熱分解性よりも悪い傾向が見られ、ろう付性に悪影響を及ぼす懸念がありました。
この課題を解決するために、良好な熱分解性と完全水溶性を両立させる特性を持つ樹脂成分を選択することで、有機溶剤を含まない無溶剤型フラックス塗料を開発することができました。
この無溶剤型フラックス塗料は従来のフラックス塗料と働きが同じだけでなく、有機溶剤を含まないので火災の危険性や溶剤臭もありません。設備の洗浄に水が使用できますので、コストおよび作業環境にも優しい商品です。
今後もお客様のニーズにお応えするために、地球環境に優しい商品で皆様の生活に貢献していきます。