ハリマ化成グループ

伝説のテクノロジー

靴をよみがえらせる熟練の技と“聴く力”

他店で断られた靴の修理も引き受けることで知られるハドソン靴店。
“靴の神様”に師事した2代目店主・村上塁さんは、
年間1,000足以上の修理をこなす。

靴職人・村上塁さん

“靴の神様”に弟子入り

 靴をつくることができる職人なら、修理もできるだろう――。

 靴の修理について、多くの人はこう思っているのではないだろうか。ハドソン靴店の村上塁さんも、最初はそう考えていた。だがある日、女性客からピンヒールの交換を頼まれたとき、背筋に冷や汗が流れた。

 「ヒールのはずし方がわからなかったんです」

 現在、年間1,000足以上の修理の注文が来る村上さんも、10数年前はそんな状態だったのである。

 20年ほど前、村上さんは靴職人になろうと考え、縁あってハドソン靴店の初代店主・佐藤正利さんに師事することになった。佐藤さんは吉田茂元首相をはじめとする多くの著名人の靴をつくり、靴職人の世界では“靴の神様”と呼ばれた人である。

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