お知らせ
(公財)松籟科学技術振興財団、 2022年度(第40回)助成研究者を発表
松籟科学技術振興財団(理事長:長谷川吉弘、ハリマ化成グループ株式会社代表取締役社長)では、2022年7月21日~9月30日を応募期間として2022年度の研究助成課題を国公私立大学および公的研究機関(計84機関)に募集したところ68件の応募があり、専門員による審査を経て2022年12月13日に選考委員会(選考委員長:中條善樹氏、京都大学 名誉教授)を開催し26件の研究テーマについて助成を決定しました。
今年度は「植物有用成分およびバイオマス資源の高度利用」、「エレクトロニクス複合材料および次世代実装」、「持続可能な社会を実現する有機系新素材およびその機能化」の3つの研究課題に対して、それぞれ37件、6件、25件の応募があり、26の研究テーマが採択されました。毎年 、優れた研究者に1件に付き100万円の助成金を20件前後贈呈し、2021年度 (第39回)までの助成金の累計は、延べ766名、総額8億1,010万円を交付しています。これまでに助成金をお贈りした研究者のなかには、ノーベル化学賞受賞者の野依良治 科学技術振興機構 研究開発戦略センター長や鈴木章 北海道大学名誉教授がいらっしゃいます。今回は、財団創立40周年を記念して、助成金上限を300万円に拡大し、26名の研究者に助成金を贈呈することといたしました。これにより、助成金の累計は、延べ792名、総額8億7,090万円となりました。
さらに、研究助成に選ばれた方を祝うイベントとして、2023年3月9日に第40回研究助成金贈呈式を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、4年ぶりに開催された贈呈式では、来賓を代表して、文部科学省 森晃憲 研究振興局長より祝辞をご披露いただき、受賞者を代表して、筑波大学 木下奈都子 助教からご挨拶をいただきました。贈呈式に続いて、当財団監事の住田裕子弁護士より「未来に向かってー科学技術に期待」、中部大学 山本尚 教授により「ペプチドの革新的合成」と題して、記念講演をいただきました。
今後も助成、奨励事業を通じて科学技術の振興に貢献してまいります。
2022年度 研究助成金採択者一覧
課題A 「植物有用成分およびバイオマス資源の高度利用」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 |
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米山 香織 | 愛媛大学 | 強害根寄生雑草の自殺発芽誘導活性物質に関する研究 |
宮崎 翔 | 東京農工大学 | 植物ホルモン・ジベレリン合成をやめた植物の成長制御機構の解明とその応用 |
原 康雅 | 千葉大学 | 植物および微生物資源からの脂質酸化を介した細胞死を制御する天然物の探索 |
高橋 俊介 | 東京電機大学 | 微生物育種による植物アルカロイド医薬品の創出 |
松本 崇弘 | 九州大学 | 光エネルギーを利用する海洋バイオマスからのグリーン水素製造 |
柴田 紗知 | 福山大学 | 自己免疫疾患予防効果を発揮する植物由来成分の探索と作用機序の解明 |
田中 勉 | 神戸大学 | 希少植物由来「香り」のサスティナブル生産プラットフォーム構築 |
仙石 哲也 | 静岡大学 | 抗がん性テルペンラクトン類を網羅する可視光応答型標識化反応の開発 |
伊藤 晋作 | 東京農業大学 | 植物内生プロゲステロンの機構解明とその応用 |
崔 宰熏 | 静岡大学 | シロイヌナズナにおけるフェアリー化合物の生理的役割の解明 |
皆川 真規 | 山形大学 | 固体担持ビスマス触媒の創製と植物由来アルコール類を原料とした触媒的ヘテロ環合成とフロー反応系への展開 |
草野 修平 | 理化学研究所 | 植物バイオマスの飛躍的増産に向けたケミカルバイオロジー |
木下 奈都子 | 筑波大学 | 植物の腺性毛状突起で高付加価値テルペノイドを生合成する |
岩崎 崇 | 鳥取大学 | 植物由来ヒスチジンリッチ分子を活用した植物機能改変技術の開発 |
課題B 「エレクトロニクス複合材料および次世代実装」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 |
---|---|---|
津留﨑 陽大 | 大阪公立大学 | 二次元半導体デバイスヘの分子ドーピングを志向した含リン三次元π共役化合物の創製 |
春日 貴章 | 大阪大学 | 「土に還る」土壌含水率センサデバイス及びセンシングシステムの開発 |
課題C 「持続可能な社会を実現する有機系新素材およびその機能化」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 |
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斎藤 慎彦 | 広島大学 | シースルー太陽電池を指向した新規n型低分子材料の開発 |
稲田 飛鳥 | 宮崎大学 | 高強度を有する新奇ペプチドハイドロゲルの創製と医療材料への応用 |
倉科 佑太 | 東京農工大学 | 超音波の周波数で制御する音響応答性ハイドロゲルマイクロ複合材料の生成 |
矢崎 亮 | 九州大学 | 有機系材料のアップグレードを可能とする重水素化反応開発 |
田原 圭志朗 | 香川大学 | 有機蛍光色素への電気学的な保護基の導入と中間種の分解抑制による電気化学発光の増強 |
須田 理行 | 京都大学 | 非貴金属水電解触媒への応用を志向したキラル共有結合性有機構造体の創製 |
権 正行 | 京都大学 | 高耐久性アモルファス発光体を利用した固体センシング発光材料の開発 |
浅子 壮美 | 理化学研究所 | スピロビピリジンの機能開拓: 豊富な炭化水素資源の効率的かつ選択的官能基化 |
桑折 道済 | 千葉大学 | 昆虫の発色機構から学ぶ外部刺激で色調変化する金属光沢材料の開発 |
岡 弘樹 | 大阪大学 | リサイクル可能なオール有機多孔質材料の創製と低濃度CO2の分離・回収 |
■関連情報
公益財団法人松籟科学技術振興財団
設立 | :1983年3月12日 ※2013年4月1日 公益財団法人へ移行 |
理事長 | :長谷川 吉弘 |
目的 | :科学技術に関する調査・研究・国際交流に対する助成・奨励を行うことにより、 科学技術の振興と世界文化の発展に寄与する |
事業 | :研究助成事業 国際研究集会派遣事業 その他、当財団の目的を達成するために必要な事業 |
HP | :https://www.shorai-foundation.or.jp |