ハリマの「制振ゴム用ロジン樹脂」
世界に大きな衝撃を与えた東日本大震災から10年、大規模地震が幾度となく発生した熊本地震から5年。あれから私たちの地震に対する認識も変化し、対策への意識がいっそう強くなりました。
そのため、今、建築物の地震対策も大きく見直されています。特に熊本地震では、震度6 や7といった大規模地震が計7回も発生。私たちの想定を超えた地震の連続に、建物は倒壊してしまい、日常が失われました。
建築物の地震対策には大きく分けて「耐震」「免震」「制振」の3つがあります。日本では建物そのものを強くする「耐震」建築をよく見かけますが、耐震は振動エネルギーが直接建物に伝わってしまうため、繰り返す地震や大きな地震に弱く、「免震」はコストが高いため住宅には使用されにくいという課題があります。
一方、「制振」は、地震の揺れにより建物が変形した際、制振装置の要である制振ゴムが一緒に変形することで、振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動を収束させる技術です。ゴムの変形で振動を抑えるので建物にダメージを与えにくく、低コストで制振装置を取り付けることができます。
今回、この振動エネルギーを熱エネルギーに変換する、ゴムの「制振」技術を向上させたのが、ハリマの「制振ゴム用ロジン樹脂」です。制振ゴムに添加される大量のシリカに着目し、独自技術で変性させたロジンをシリカに作用させることで、振動エネルギーを熱エネルギーに変換する性能を高めることに成功しました。
これにより、従来品よりもエネルギー吸収量を42%も向上させることができ、今まで対応できなかった大型ビルへの搭載や、よりお手軽に住宅に設置できる制振ゴムの提供につながるものとなっています。
ロジンの新たな機能を見いだし、「制振」という世界で地震から私たちの日常を守る。ハリマはロジンの可能性を追求し、人々の暮らしの安心・安全にも貢献していきます。