(公財)松籟科学技術振興財団、 2023年度(第41回)助成研究者を発表
2024年03月08日
松籟科学技術振興財団(理事長:長谷川吉弘、ハリマ化成グループ株式会社代表取締役社長)は、2023年度(第41回)の助成事業として、研究テーマ15件への助成金贈呈を決定しました。
今年度は、2023年7月21日~9月30日を応募期間として、国公私立大学および公的研究機関に研究助成テーマを募集しました。「植物有用成分およびバイオマス資源の高度利用」、「エレクトロニクス複合材料および次世代実装」、「持続可能な社会を実現する有機系新素材およびその機能化」の3つの研究課題に対して、それぞれ25件、10件、28件の応募があり、専門員による審査を経て、2023年12月14日の選考委員会(選考委員長:京都大学 中條善樹名誉教授)にて15の研究テーマが採択されました。
当財団は毎年、優れた研究者に対して、1件に付き100万円の助成金を20件前後贈呈しており、2022年度 (第40回)までに累計792件、総額8億7,090万円を交付しています。これまでに助成金をお贈りした研究者のなかには、ノーベル化学賞受賞者の科学技術振興機構 野依良治研究開発戦略センター長や北海道大学 鈴木章名誉教授がいらっしゃいます。今回は、各研究テーマに対してより充実した支援を行うために、助成金を200万円に拡大致しました。これにより、助成金の累計は807件、総額9億90万円となりました。
また、研究助成に選ばれた方を祝うイベントとして、2024年3月8日には第41回研究助成金贈呈式を開催しました。贈呈式では、来賓を代表して、文部科学省研究振興局 塩見みづ枝局長より祝辞をご披露いただき、受領者を代表して、東海国⽴⼤学機構 下遠野明恵特任講師からご挨拶をいただきました。
今後も助成、奨励事業を通じて科学技術の振興に貢献してまいります。
2023年度 研究助成金採択者一覧
課題A 「植物有用成分およびバイオマス資源の高度利用」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 | 山口 渉 | 大阪大学 | 廃油に含まれる植物油脂由来トリグリセリドから有用化成品原料へのアップサイクルに向けた複合金属ナノ粒子触媒の開発 |
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鈴木 望 | 神戸大学 | キラルな植物成分を利用した機能性ラセン高分子のラセン誘起メカニズムの解明と応用 |
清水 洋平 | 北海道大学 | バイオマス資源の高度利用を指向した可視光駆動型カルボン酸修飾法の開発 |
児玉 豊 | 宇都宮大学 | 代謝産物を介した細胞内レドックス制御機構の解明 |
遠藤 求 | 奈良先端科学技術大学院大学 | デンプン質バイオマス生産を目指した、植物の季節認識メカニズムの解明 |
下遠野 明恵 | 東海国⽴⼤学機構 | 乾燥ストレス応答の鍵を握るペプチド分⼦の機能解明 |
課題B 「エレクトロニクス複合材料および次世代実装」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 |
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関 貴一 | 弘前大学 | 二次元ナノ光デバイスによる細胞状態計測に向けた,高精度イオンバイオプローブの構築 |
林 宏暢 | 物質・材料研究機構 | 環状ポルフィリンの連結によるマルチラジカルナノシート創成 |
課題C 「持続可能な社会を実現する有機系新素材およびその機能化」
氏名 | 所属機関 | 研究課題 |
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廣田 雄一朗 | 名古屋工業大学 | イオン液体含有シルセスキオキサン膜を用いた有機溶媒逆浸透操作による有機液体混合物の分離 |
岩本 貴寛 | 中央大学 | 屈曲した共役系配位ポケットの開発とクラスター合成への応用 |
堂本 悠也 | 群馬大学 | 新奇p電子材料を指向したトポロジー特異的カルバゾール集積体の開発 |
清水 宗治 | 九州大学 | 蛍光分子の環状配列に基づく強円偏光発光材料の創出 |
平尾 岳大 | 広島大学 | 特異な分子認識を基盤とした交互共重合型新素材の創出 |
芳野 遼 | 東北大学 | 触媒活性な配位不飽和部位を有する機能性錯体を用いた無機−有機ハイブリッド型ソフトマテリアルの創出 |
山田 健 | 神戸薬科大学 | 二重活性化型2-ピリドン触媒を用いる高効率エステル合成およびアミド合成 |
■関連情報
公益財団法人松籟科学技術振興財団
設立 | :1983年3月12日 ※2013年4月1日 公益財団法人へ移行 |
理事長 | :長谷川 吉弘 |
目的 | :科学技術に関する調査・研究・国際交流に対する助成・奨励を行うことにより、 科学技術の振興と世界文化の発展に寄与する |
事業 | :研究助成事業 その他、当財団の目的を達成するために必要な事業 |
HP | :https://www.shorai-foundation.or.jp |