ベルギー王国にあるハリマ化成グループの子会社、ローター社カロ研究室とルーヴァン・カトリック大学（ルーヴァン・フランデレン州）との産学共同研究で「リグニンオイル」に関する研究論文が、科学雑誌サイエンス誌^※１に、2020年2月13日（日本時間では2月14日）付けでオンライン掲載されました。当該論文はローター社カロ研究室のMaarten Maesen研究員と出向中のハリマ化成の松島広典研究員が研究に参加し共著者となっています。

論文タイトル：A sustainable wood biorefinery for low-carbon footprint chemicals production

                    環境にやさしい木質バイオマス精製技術を活かして、低炭素の化学製品を製造

論文要旨：リグニンは、地球上に大量に存在する物質でありながら、その複雑な分岐構造とほとんどの溶剤に溶解しないことから、利用用途が非常に限定的である天然資源です。 このリグニンを有効活用するための研究が広く行われており、 ルーヴァン・カトリック大学は、木材からリグニンを直接化学原料として有用なリグニンオイルに効率的に変換し、ＣＯ_２削減に貢献できる技術を開発しました。 ローター社カロ研究室では、この手法で得られるリグニンオイルを活用したインキ用樹脂を開発し、石油由来原料で合成した製品と比較して性能に遜色のないことを実証し、彼らの研究の有効性を確かなものとしました。

科学雑誌サイエンス誌電子版：https://science.sciencemag.org/content/early/2020/02/12/science.aau1567.full

※１：Science（サイエンス）は、1880年に創刊され、現在アメリカ科学振興協会 (AAAS)によって発行されている学術雑誌で、世界で特に権威がある学術雑誌の一つとされている。AAASは世界で最も歴史のある最大の総合科学協会で、非営利団体であるAAASは、AAAS会員および262の科学関連学術団体を通じ、1千万人の人たちにサービスを提供しています。

  以上