「地域おこし」から「人おこし」で起業

事業としてうまく軌道に乗せることは難しかったのではないですか

3年の期限が切れると、協力隊のメンバーは自立して生活しなければならないことから、これまで「地域おこし」に従事してきましたが、これからは田舎暮らしで若者を元気にする「人おこし」で新たな事業にしようと7年前にメンバーで起業することにしました。

当初は梶並の山村シェアハウスでスタートしようと考えたのですが、規模が小さいですし、普通の民家なのでプライバシーを保つのも難しい。その悩みを市役所に相談していたところ、役場経由でハリマさんの作州武蔵にある社員寮施設をお借りできる話が舞い込んできて、これはもう渡りに船という感じでしたね。

しかも、我々の活動に共感していただいて、ほぼ固定資産税程度の費用でお貸しいただけることになり、それはもう大感謝です。今でもNPO法人の理事会などでは、「ハリマさんにお貸しいただけていなかったら、僕たちはまともに経営できていなかったよね」と話しています。私自身も3年の任期の終わりに、そのままスタートが切れましたので、本当に有り難いことです。

2015年の秋にこの施設をお借りすることができ、ハリマさんからは自由に改修しても良いとまで言っていただけたので、メンバーでDIYをしながら2016年の春から事業をスタートできました。当初は入居者1人から始まったのですが、徐々に人が集まるようになり、今は年間平均で13人くらいです。春になると入居者が増えますので、マックス24名まで入居することができます。

独身寮は18部屋あり男性用の入居スペースで、家族寮は3DKが2戸ありますので各個室を女性用にしています。2022年暮れまでは家族寮の1戸を事務所に使っていたのですが、新たにコンテナの事務所を設置したことから、これまで女性は3名しか迎え入れられなかったのですが、6名まで入居することができるようになりました。

新設したコンテナ事務所(左)と女子寮(中央)、18個室ある2階建て男子寮(右)

  1. 震災を機に田舎暮らしを決断
  2. 「地域おこし」から「人おこし」で起業
  3. 快適な生活環境づくりで社会生活をとりもどす
  4. 最大のピンチにハリマの支援に感謝
  5. 「人おこし」には地域社会の理解と寛容が必要

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